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呼吸器専門外来のご案内

呼吸器疾患でよく見られる症状

RESPIRATORY SYMPTOMS

  • 咳が止まらない、痰がよく絡む、血が混じった痰が出る(血痰)
  • 声がかれている(嗄声)、呼吸が苦しい、胸が痛い
  • 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」する(喘鳴)
  • いびきがうるさい、夜間に息が止まっていると指摘をうけた
  • 日中の活動時に眠気がみられる など

上記のような症状があればご相談ください。

主な呼吸器疾患

RESPIRATORY DISEASE

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性気管支炎や肺気腫などの総称である慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコの煙を主とした有害物質を吸い続けることによって肺が炎症を起こし、肺の構造が壊れて症状が出る疾患です。咳や痰が出やすくなったり、歩行や階段の登り降りなどの日常動作で息切れするようになります。禁煙を行い、お薬や呼吸リハビリテーションなどで症状の進行を抑制します。

COPDの症状

COPDは以下のような症状があります。

  • 慢性の咳
  • 全身倦怠感
  • 胸部不快感
  • 喀痰の排出
  • 息切れ
  • 呼吸困難
気管支炎
気道炎症と喀痰増加
気腫肺
肺胞壁が壊れる

胸部レントゲン、胸部CT、肺機能検査、動脈血液ガスなど。

禁煙

まず禁煙が第一で、いまの肺機能をなるべく維持することが目標です。

薬物療法

気管支を広げる吸入薬や去痰剤を使用します。また呼吸器リハビリテーションも重要です。

理学運動療法

手足の筋肉を鍛え、呼吸に使用する筋肉の動きを良くして、息苦しさを和らげます。

栄養管理

他の病気の兼ね合いもありますが、呼吸にエネルギーがとられるため、栄養管理も必要になります。

在宅酸素療法

進行したCOPDでは、酸素療法 在宅人工呼吸器などが必要になる場合もあります。

気管支喘息

気管支喘息は、気道の炎症が続くことによって気道が敏感になり、咳や痰が発作的に出る疾患です。気道の空気の流れが悪くなるため息苦しさを感じ、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音を伴います。重症度に応じて薬を服用することで発作を予防し、発作時には、気管支拡張薬を吸入することで症状を抑えます。またぜんそく発作が起きないようにするためには、症状が落ち着いていても継続治療をすることが何より重要です。原因のアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)が判明している場合はそれを避けるための環境づくりも必要です。近年では、免疫治療となる抗体製剤が複数使用できるようになっており、重症の方には使用する場合もあります。

治療ステップ1治療ステップ2治療ステップ3治療ステップ4
長期管理薬基本治療ICS(低用量)ICS(低~中用量)ICS(中~高用量)ICS(高用量)

上記が使用できない場合、以下のいずれかを用いる

  • LTRA
  • テオフィリン徐放製剤

※症状がまれなら必要なし

上記で不十分な場合に、以下のいずれか1剤を併用

  • LABA(配合剤使用可)
  • LAMA
  • LTRA
  • テオフィリン徐放製剤

上記に下記のいずれか1剤、あるいは複数を併用

  • LABA(配合剤使用可)
  • LAMA
  • LTRA
  • テオフィリン徐放製剤

上記に下記の複数を併用

  • LABA(配合剤使用可)
  • LAMA
  • LTRA
  • テオフィリン徐放製剤
  • 抗IgE抗体
  • 抗IL-5抗体
  • 抗IL-5Ra抗体
  • 経口ステロイド薬
  • 気管支熱形成術
追加治療LTRA以外の抗アレルギー薬
発作治療SABASABASABASABA
ICS
吸入ステロイド薬
LABA
長時間作用性β₂刺激薬
LAMA
長時間作用性抗コリン薬
LTRA
ロイコトリエン受容体拮抗薬
SABA
短時間作用性吸入β₂刺激薬
抗L-5Rα抗体
抗L-5受容体α鎖抗体

肺炎

肺炎は、一般的には肺炎球菌やインフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマなどのウイルスや細菌が原因で発症する疾患です。咳や痰、発熱、胸の痛みなどの症状が見られ、レントゲンや血液検査、痰の検査などおこないながら、飲み薬や点滴で治療を行います。日頃から健康的な生活を心がけることに加え、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを摂取することで肺炎の予防に繋がります。また肺炎には感染症の肺炎以外にも、間質性肺炎、薬剤性肺炎、好酸球性肺炎、や免疫関連の肺炎など、特殊な肺炎もあります。これらは一般的な肺炎と違い、特殊な検査や治療が必要になる場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まってしまう疾患で、日中の眠気や起床時の頭痛、夜間の頻尿などの症状が現れますが、自分自身では気付かないことが多い傾向にあります。これを一晩中繰り返すため、深い睡眠がまったくとれなくなり、日中に強い眠気が出現します。酸素濃度が下がるため、これを補うために心臓の働きが強まり、高血圧となります。酸素濃度の低下により動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。さらに睡眠不足によるストレスにより、血糖値やコレステロール値が高くなり、さまざまな生活習慣病やメタボリック・シンドロームがひきおこされます。

睡眠時無呼吸症候群の危険性

1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上出現するような中等症・重症の睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞・脳梗塞・生活習慣病・眠気による事故などを引き起こし、死亡率が非常に高くなるため、すぐに治療が必要です。ひどいイビキ、睡眠中の呼吸停止がある場合には速やかに専門の医療機関で検査・治療を受けることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群(閉塞型)

  • 気道が閉塞
  • 空気の流れが完全に妨げられる

正常な状態

  • 気道が開いている
  • 空気が肺に入る

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症は、非結核性抗酸菌という細菌によって起こる感染症です。近年増加傾向で非結核性抗酸菌は土壌や水系などの自然環境、水道や貯水槽などの給水システム、家畜などに広く生息しています。ヒトに感染する菌は約30種類程度が知られていますが、それらのうち約90%を占めるのは、Mycobacterium avium(マイコバクテリウム・アビウム)とMycobacterium intracellulare(マイコバクテリウム・イントラセルラー)という菌です。この2つはまとめてMAC(マック=Mycobacterium avium complex)と呼ばれ、MAC菌による呼吸器感染症のことを肺MAC症といいます。菌を含んだ埃(ほこり)や水滴を吸い込むことにより感染すると考えられており、ヒトからヒトへ感染することはありません。暴露が疑われる感染経路を避けることも重要で、症状や画像の経過にもよりますが、必要に応じて、抗菌薬、抗結核薬を含むいくつかの内服薬や注射剤を使用し、治療を行うこともあります。

肺NTM症罹患率の年次推移(1980〜2014年)
肺NTM症罹患率の年次推移(1980〜2014年) のグラフ

調査年

1980〜1998年
国際研究班による調査結果
2001年、2007年
研究協議会による調査結果
2014年
日本医療研究開発機構(AMED)の実用化研究事業支援による研究結果
NTMの主な感染経路
エアロゾルへの曝露

NTMはシャワー、水栓、温水浴槽、加湿器を通して容易にエアロゾル化される

園芸やガーデニングの際に発生する粉塵(特にNTM濃度が高い乾燥した土壌)

外傷

負傷や外科手術後の創傷部からの感染

アクセス

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